ノルウェー「ボルグン・スターヴ教会」2013年08月18日撮影

 

 オスロの北西約300㎞にある人口2,200人の田舎町ラルダール(Laerdal)から車で30分程東に行くとボルグン(Borgund)という小さな村がある。

 そこにあるのがバイキング時代に建設された、木造支柱式建築のボルグン・スターヴ教会である。教会の名前の由来は、この地方の建築工法「支柱」=「スターヴ」がもとになっている。釘が使われておらず、五層のこけら葺き屋根となっている。  

   ノルウェー独特のこの木造のスターヴ教会は、ヨーロッパ諸国に1130年から1350年の間に千棟以上建てられ、1349年のペスト流行によって建築に終止符が打たれたといわれている。現在残されている教会は28棟のみと言われている。魚や船を連想させる不思議な木造建築である。

 ボルグンは最も有名なスターヴ教会であり、オスロからソグネフィヨルドに向かう途中の幹線道路沿いにある。

 ウルネス・スターヴ教会は世界文化遺産に登録されている唯一のスターヴ教会である。ソグネフィヨルドの最深部から枝分かれしたルストラフィヨルドの小村にあり、交通は非常に不便である。日頃、世界遺産はヨーロッパの価値観で指定されていると語ってはいるが、この施設は納得できる建造物である。世界遺産、オリンピックなどがヨーロッパの価値観で運用されていることは自明だが、今回訪れたスターヴ教会は世界遺産登録の意義があるといえるだろう。国内では「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産推薦が、土壇場で政権の【栄光の日本】志向からか「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」に切り替えられている。

                            権力に抵抗し続けた隠れキリシタンの価値を再発見したいものである。

                                                (大学非常勤講師 柴田 健)

 


長崎「軍艦島(端島)」の今 2014年4月14日撮影

 

  4月12~14日に沖縄平和ネットワーク首都圏の会、地教研共催で長崎・軍艦島ツアーを20名の参加で実施した。

 初日は午後から平和公園~浦上天主堂~原爆資料館~岡まさはる平和資料館で谷口稜曄さんの被爆体験講演。二日目は市内神ノ島の軍事遺構、三菱発祥の地である高島見学。三日目に軍艦島コンシュルジュの船で島に渡った。軍艦島はブームであり、四社が航路を持っている。

 長崎は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を世界遺産に推す動きを先行させていたが、〈日本を誇りたい〉政府が「九州・山口の近代化産業遺産群」を逆転で推薦したという経緯がある。軍艦島は後者の産業遺産群を構成しているが、4月末に当確となった 「富岡製糸場と絹産業遺産群」と比べ、40年余り放置していたという難点がある。富岡は経営していた片倉工業が87年の操業停止後も施設維持のために経費を負担して

                                   いたが、軍艦島は近年、突然着目されている。

 92年(神奈川県教委と沖縄修学旅行の交渉が成立せず、代案)の長崎旅行の際に、86年に閉山したばかりの高島を20名ほどの生徒が自主行動で見学し、町ぐるみで大歓迎していただいている。その高島も05年に長崎市と合併している。

 軍艦島は建造物の崩落があり、見学コースは市が整備した外周の一部である。船会社のガイドは巧みだが、強制連行された朝鮮人・中国人労働者などについてはさらりと流す程度であり、観光ガイドに特化している。船会社に渡航の主導権を握られており、独自の平和学習を組み立てにくいが、長崎に再び着目しても良い時期かもしれない。

                                                (大学非常勤講師 柴田 健)